PQを改善する3つの方法

あなたの脳が妨害者モードにあるか賢者モードにあるかは、脳内の別々の領域や機能と関係している。妨害者の主たる原動力となる脳は、もともとは肉体的・感情的な生き残りを目的としていた領域である。一方、賢者の原動力となっている脳の領域は全く異なる。これら2つの脳の領域の関係性を踏まえてPQ脳を改善するための3つの方法を紹介しよう。

すなわち(1)妨害者を弱める(2)賢者を強める、(3)PQ脳の筋力を強化する----の3つの方法である。

方法1 妨害者を弱める

妨害者を弱めるには、まず妨害者に特有の思考パターンや感情パターンを見分け、それがあなたにとって有益でないことをはっきり理解することだ。妨害者はたいてい自分を正当化し、あたかも味方であるかのように、極端な場合にはあなた自身であるかのようにふるまう。妨害者を弱めるには、妨害者の思考や感情が現れるたびに、よく観察してラベル付けするだけでいい。例えば「おやおや、また裁判官が現れて、おまえは失敗すると予言している」とか、「また仕切り屋が現れて心配を始めた」というように。

方法2 賢者を強める

賢者を強めるには、賢者の視点に切り替え、試練に出会うたびに5つの賢者パワーを借りて対処してみることだ。自分の中に確かに賢者がいて、妨害者が勧めるよりはるかに優れた解決法を教えてくれることがわかるだろう。

方法3 PQ脳の筋力を強化する

PQ脳の筋力を強化するには、PQ脳と生存脳の違いを知らなければならない。長年使われずにいたPQ脳の筋肉は未発達なままだが、生存脳の筋力はステロイドで増強されている。上腕二頭筋を強化するには繰り返しダンベルをあげなければならない。PQ脳でダンベルに当たるのは、自分の身体や五感で、『自分の身体や五感に意識を集中させる』これを少なくとも10秒以上続けるエクササイズである。ジムでやるのと同じ、PQ脳にとっての反復運動(レップ)である。この簡単な反復運動を行うにはPQ脳の筋力が必要なので、結果的に筋力が活性化され、強化される。多くの研究により、身体的知覚に注意することと、PQ脳の諸領域を活性化させることは関連があることがわかっている。多くの専門家が、健康を保つには毎日1万歩あるくよう勧めている(約8キロ歩くのに相当する。)PQ脳で同じ事をするには、PQ脳の反復運動を毎日100回行うこと。つまり身体や五感のいずれかに可能なかぎり注意を集中させ、10秒間続ける、これを毎日100回行うのである。正確に時間を測る必要はない。10秒はおおむね呼吸3回分に相当する

 

以上に紹介した3つの方法は、別々に行ってもPQを改善できる。もっとも良いのは別々に行ってもそれぞれの方法が互いに補完し合い、強めあうことだ。PQ脳を強化するという3つの方法には、いずれも数秒以内で実行できるもので、忙しい日々のスケジュールのなかでも実行する事ができる。人によってどの方法を選ぶかはさまざまであり、各自が最も有効と感じられる方法を見つけてほしい。1番お気に入りの方法が見つかったら、あとの2つも自動的に使えるようになるはずだ。