60歳からでも、豊かに暮らし、成功する時間がある

 多くの人は、生産性のある年代は30歳から60歳くらいまでだというへんけんがある。確かに、人がこの人生の真ん中に位置する3分の1の時期に世界を大きく変えられることは間違えない。

 しかし、最後の3分の1の時期でも、同じように大きなことを実現することは可能である。

 この要点を証明するため、いくつかの例を挙げてみよう。

カーネル・サンダースという名前がよく知られているが、ハーランド・サンダースがケンタッキー・フライドチキンを創業したのは65歳のときだった。彼が作るおいしいチキンへの需要が高まってきたため、サンダースはレストランを開いたのだ。その後のことはあなたもご存じのとおりである。

ローラ・インガルス・ワイルダーがあの名作『大草原の小さな家』シリーズの執筆を始めたのは、彼女が65歳のときだった。続けて同シリーズの8冊の本を書き、さらにジャーナリストとしても活躍した。

1954年に、52歳だったレイ・クロックは、彼の年代の多くがリタイヤしようとしているときに、小さなハンバーガーの店を出した。クロックがファストフードビジネスに大変革を起こしたこのハンバーガー店が、後のマクドナルドである。

初めての自動車組み立てラインを生み出したとき、自動車の象徴的存在であり、実業家でもあるヘンリー・フォードは60歳だった。

ゴルダ・メイアは、70歳でイスラエルの第5代首相になった。イスラエルで除背が首相になったのは彼女が初めてである。

2004年、82歳のロバート・カルビンは長く務めたモトローラ社のCEOを退任し、カルビン電力化イニシアチブを立ち上げた。これは、国家商用電源の構造改革と21世紀の基準に合わせた改善に取り組む非営利組織である。

 

考えてみていただきたい。社会保障局が発表した最新の統計によれば、65歳に達した人のその後の平均寿命は20.5年である。これはすなわち、60代は、これから先何年も豊かに暮らし、成功する時間があるということだ。